決済フロー設計
概要
tanomu-aiの決済は代理受領型を採用し、資金決済法の資金移動業登録を回避する。決済基盤には Stripe Connect(Express) を使用し、受注者への即時入金を実現する。
設計方針
| 項目 | 決定事項 |
|---|---|
| 決済基盤 | Stripe Connect |
| Connectアカウントタイプ | Express |
| 課金フロー | Destination Charges |
| 手数料負担 | 依頼者側に上乗せ(受注者の手取りは表示額どおり) |
| 合計手数料率 | 8%(tanomu-ai 4.4% + Stripe 3.6%) |
| 検収自動承認 | 完了報告から24時間 |
| 受注者への入金 | 即時(tanomu-aiが自己資金で立替。Stripe Instant Payoutsは不使用) |
| tanomu-aiへの精算 | 週次でStripeから受取 |
| 対応地域 | 国内限定(MVP) |
手数料モデル
依頼者の支払額 = タスク単価 × 1.08(合計手数料8%)
内訳: tanomu-ai手数料 4.4% + Stripe手数料 3.6%
受注者の受取額 = タスク単価(そのまま)
| タスク単価 | 依頼者支払 (8%) | Stripe 3.6% | tanomu-ai取り分 (4.4%) | 受注者の受取額 |
|---|---|---|---|---|
| 500円 | 540円 | 約19円 | 21円 | 500円 |
| 1,000円 | 1,080円 | 約38円 | 42円 | 1,000円 |
| 3,000円 | 3,240円 | 約113円 | 127円 | 3,000円 |
手数料率の設定
手数料率はキャンペーン施策等で変更しやすいよう、環境変数で定義する。
| 環境変数 | 説明 | デフォルト値 |
|---|---|---|
PLATFORM_FEE_RATE | tanomu-ai手数料率(Stripe手数料を除く) | 0.044 |
STRIPE_FEE_RATE | Stripe手数料率(参照用。実際はStripe側で決定) | 0.036 |
TOTAL_FEE_RATE | 依頼者に提示する合計手数料率 | 0.08 |
依頼者への請求額は TOTAL_FEE_RATE から算出し、tanomu-aiの取り分は TOTAL_FEE_RATE - STRIPE_FEE_RATE で決まる。
資金フロー
依頼者のカード ──→ Stripe ──→ 受注者のConnectアカウント(即時入金) │ └──→ tanomu-aiプラットフォームアカウント(週次精算)立替モデルのため、tanomu-aiは検収完了時に自己資金から受注者へ即時入金し、Stripeからの週次入金で回収する。Stripe Instant Payoutsは使用せず、tanomu-aiからの振込で即時性を実現する。これにより Instant Payouts の追加手数料(約0.5%)が不要となる。最大7日分の報酬に相当する運転資金が必要。
正常系フロー
依頼者 tanomu-ai Stripe 受注者 │ │ │ │ │ ① タスク投稿 │ │ │ │─────────────────────→│ │ │ │ │ ② オーソリ(与信確保)│ │ │ │────────────────────→│ │ │ │ 与信OK │ │ │ │←────────────────────│ │ │ │ │ │ │ │ (マッチング・タスク実行) │ │ │ │ │ │ │ │ ③ 完了報告 │ │ │←────────────────────────────────────────│ │ │ │ │ │ ④ 検収依頼 │ │ │ │←─────────────────────│ │ │ │ ⑤ 検収承認 │ │ │ │─────────────────────→│ │ │ │ (または24h経過で │ │ │ │ 自動承認) │ │ │ │ │ ⑥ キャプチャ(実課金)│ │ │ │────────────────────→│ │ │ │ │ │ │ │ ⑦ 受注者に即時入金(tanomu-ai立替) │ │ │────────────────────────────────────────→│ │ │ │ │ │ │ ⑧ 週次精算 │ │ │ │←────────────────────│ │ステップ詳細
- タスク投稿(①): 依頼者がAPIまたはUI経由でタスクを投稿。報酬額・業務内容・納期を設定。
- オーソリ(②): 依頼者のクレジットカードに与信枠を確保。実課金は検収後まで行わない。オーソリの有効期限は7日間(Stripe標準)。タスクの最大実行期間もこれに合わせる。
- 完了報告(③): 受注者が成果物を提出し、タスク完了を報告。
- 検収依頼(④): 依頼者(AIエージェント)に検収を依頼。
- 検収承認(⑤): 依頼者が成果物を承認。AIエージェント経由の場合は即時自動検収を想定。未応答の場合は24時間で自動承認。
- キャプチャ(⑥): 検収完了をトリガーに、オーソリ済みの金額を実課金。
- 即時入金(⑦): tanomu-aiが自己資金から受注者の銀行口座に即時振込(Stripe Instant Payoutsは不使用)。
- 週次精算(⑧): Stripeからtanomu-aiのプラットフォームアカウントに週次で売上を入金。
異常系フロー
タスクキャンセル(open → cancelled)
- 受注者が未確定の段階
- オーソリを解放するだけで実課金は発生しない
- 受注者への支払いなし
- 依頼者のみキャンセル可能
タスクキャンセル(accepted → cancelled)
依頼者 tanomu-ai Stripe │ キャンセル要求 │ │ │────────────────────→│ オーソリ取消 │ │ │────────────────────→│ │ 完了 │ │ │←────────────────────│ │- 依頼者・受注者の双方がキャンセル可能
- オーソリを解放するだけで実課金は発生しない
- 受注者への支払いなし
- 受注者がキャンセルした場合、タスクは
openに戻すかcancelledにするかは運用判断
タスクキャンセル(in_progress → cancelled)
- 受注者が作業を開始しているが未完了の場合
- 依頼者・受注者の双方がキャンセル可能
- 依頼者都合の場合: 全額支払い(キャプチャを実行し、受注者に全額を即時入金)
- 受注者都合の場合: 支払いなし(オーソリを解放)
- 依頼者都合のキャンセル率が高い場合、アカウント制限を検討
タスク期限切れ(open → expired)
- 受託期限(
expires_at)を過ぎたタスクは自動でexpiredに遷移 - オーソリを解放
cancelledとは別の終了状態(誰の責任でもない自動失効)
検収不合格
依頼者 tanomu-ai 受注者 │ 不合格(理由付き) │ │ │─────────────────────→│ 再作業依頼 │ │ │────────────────────→│ │ │ │ │ │ (再提出 or 紛争申立)│ │ │←────────────────────│- 不合格の場合、受注者は1回まで再作業可能
- 再作業後も不合格の場合、紛争解決フローに移行
- オーソリは検収完了まで維持(7日間の制約に注意)
紛争解決
当事者 tanomu-ai │ 紛争申立 │ │─────────────────→│ │ │ 事実確認・証拠収集 │ │ │ 裁定通知 │ │←─────────────────│- 1,000円以下: tanomu-aiが自動裁定(依頼者に全額返金 or 受注者に全額支払い)
- 1,000円超: サポートが介入して個別判断
- 裁定に不服がある場合の最終手段は当事者間の民事解決(利用規約に明記)
オーソリ期限切れ
- タスクの実行がオーソリ有効期限(7日間)を超えた場合
- 再オーソリを試行し、失敗した場合はタスクを強制キャンセル
- 受注者が作業中であった場合は、作業途中キャンセルと同様の扱い
立替振込失敗
- 受注者の銀行口座情報に問題がある場合
- 振込を保留し、受注者に口座情報の更新を依頼
- 3日以内に解決しない場合、サポートが介入
運転資金の見積もり
立替モデルのため、常時プールしておく運転資金が必要。
| 段階 | 日次取引量 | 平均単価 | 日次立替額 | 必要運転資金(7日分) |
|---|---|---|---|---|
| MVP初期 | 10件/日 | 1,000円 | 1万円 | 7万円 |
| 成長期 | 100件/日 | 1,000円 | 10万円 | 70万円 |
| 拡大期 | 1,000件/日 | 1,000円 | 100万円 | 700万円 |
Stripe Connect構成
アカウント構造
tanomu-aiプラットフォームアカウント(Stripe通常アカウント) ├── 受注者A(Express Connectアカウント) ├── 受注者B(Express Connectアカウント) └── ...受注者オンボーディング
- tanomu-aiアプリ内で「報酬を受け取る」設定を開始
- Stripe Express Onboardingフローにリダイレクト
- 本人確認(身分証明書)・銀行口座情報を登録
- 完了後、tanomu-aiアプリに戻る
APIフロー概要
# ① オーソリ(タスク投稿時)POST /v1/payment_intents amount: タスク単価 + 手数料 capture_method: manual transfer_data[destination]: 受注者のConnectアカウントID
# ② キャプチャ(検収完了時)POST /v1/payment_intents/{id}/capture
# ③ 即時入金(検収完了時)# tanomu-aiの自己資金から受注者の銀行口座に振込# Stripe Instant Payoutsは使用しない(立替モデルのため不要)POST /v1/transfers amount: タスク単価 destination: 受注者のConnectアカウントID # tanomu-aiプラットフォームアカウントから受注者へ法的整理
代理受領型の構造
利用規約において以下を明記する:
- 受注者はtanomu-aiに対し、依頼者から支払われる代金を代理して受領する権限を付与する
- tanomu-aiが代金を受領した時点で、依頼者の受注者に対する支払い義務は消滅する
- tanomu-aiは受領した代金を、所定の手数料を控除せず、受注者に速やかに支払う(手数料は依頼者負担のため控除なし)
立替との整合性
- 検収完了時点でtanomu-aiが代理受領権限に基づき代金債権を取得
- 受注者への即時支払いは代金債権の早期精算と位置づける
- Stripeからの入金は債権回収
注意: この法的整理は弁護士による確認を推奨する。
制約・前提
- 国内限定: クロスボーダー収納代行に該当するリスクを回避するため、MVP段階では国内の依頼者・受注者のみ対応
- オーソリ有効期限: 7日間。タスクの最大実行期間はこれに合わせて設計する
- 即時入金: tanomu-aiの自己資金から立替振込するため、Stripe Instant Payoutsの銀行対応制限に依存しない
- 60日ルール: フリーランス新法により、成果物受領から60日以内の支払いが義務。即時入金モデルでは問題にならない
参考ドキュメント
- リーガルチェック — 資金決済法、代理受領型、60日ルール
- プロダクトビジョン — ビジネスモデル(マイクロタスク単価課金)
- 利用規約・プライバシーポリシー設計 — 利用規約の要件仕様